Semantica Records | Prologue | Telrae
Cio D’Or の音楽は常にアイデアから浮かび上がる、それは彼女が自身のサウンドを通じて展開し紡ぐものだ。感情的でいて豊潤、カリスマ的でいてシネマティック、そして、時に詩的ですらある彼女の音楽は起源と進化の狭間にある無限性に向かい邁進する。そこにこそ、一時の時代性を超越した普遍的な可能性が響いているのだ。
17歳のときに7ピースジャズバンドにて活動を始めてから音楽に背中を押されるように前へと進んだ。90年代のドイツ・テクノ革命の時期にパーティでプレイするようになり、自身のサウンドを磨いた。2001年からミュンヘンの伝説のクラブ Ultraschall にてレジデントとなり “Nachtwind” というパーティを主催。やがて舞台を世界に広げ、制作のために珍しいサンプルを探し求めた。
2004年以降、彼女は Donato Dozzy 、Gabriel Ananda 、Paul Brtschitsch らとコラボレーションを展開し、Prologue 、Semantica 、Telrae 、Hypnus 、Time To Express といったレーベルからリリースを重ねてきた。
2009年に1stアルバムリリース後にワールドツアーを敢行。活動の幅を広げるべく、彼女のパッションの原点であったコンテンポラリーダンスやシアターを、クラシック楽器と融合させたエクスペリメンタル・プロジェクトを始動し、2012年にはオーケストラを従えたシアターのための音楽を制作。エレクトロニックな要素と生楽器のコンビネーションは彼女の音楽世界に広がるアイデアをさらに豊かに体現している。また、コンポーザーの Brigitta Muntendorf とのプロジェクト『PULSA:RE』では DJ セットとアンサンブルによる新しい音楽の組み合わせに挑んでいる。
ディープかつオーセンティックな音楽の進化をフォローする彼女の DJ セットでは、同時に過去の名曲をふんだんに体験することができる。多様な音源に触れてきた Cio D’Or は古い作品の中に新たな一面を映し出す。その逆もまた然りだ。もはや音楽を再生する以上のものがそこにはある。その真価をぜひ体験して欲しい。